TSURUGI DE HATARAKU

TSURUGI DE HATARAKU

創業100年、伝統を守りながら革新を続ける

株式会社済田工務店家屋、店舗、家具意匠、各種改修

大正13年創業、宮大工であった初代・済田(さいだ)安治さんがスタートした「済田工務店」。創業当初からお客様に喜ばれるのはもちろんのこと、職人の輪を持って建物を築くこと、新しい発想と古き良き伝統の両方を大切にしながら職人としてのこだわりを持ち、建築に取り組むことを基本姿勢としてきました。

 

木造建築を専門として神社仏閣をはじめ公共工事や住宅、店舗まで数多くの建築を手掛けており、白山比咩神社の境内にある住吉社や金劔宮の本殿屋根改修工事、また、ツギトギでもご紹介している「和田屋」や「小堀酒造店」など、鶴来を代表するスポットのさまざまな建築が「済田工務店」によるものです。

 

「家を建てた人はファンになる」と評判で、なんと従業員の中には家を建てたことがきっかけで働き始めたという人が一人だけでなく何人もいるというウワサ。関わった人を惹きつける理由を探りました。

 

 

三代目社長の済田稚博さんは専門学校で建築を学び、卒業後は富山県砺波市の「白井大工」で7年間経験を重ねました。「白井大工」は日本全国から職人が集まり、国内屈指の宮大工を抱える工務店。「祖父の時代は宮大工としてかなりの棟数を建てていましたが、残念なことに宮大工は祖父の時代で終わり、その技術を継承する職人がいなかったんです。宮大工の匠が『済田工務店』から姿を消したことが悔しくて技を極めたいと思い、『白井大工』の門を叩きました」と振り返ります。

 

その後、ハウスメーカーに転職して時代に即したさまざまなノウハウを学び、家業に入った済田さん。「100年続く『済田工務店』として、いいものを残していかなければならないという使命感が私を支えていました」と言います。仕事のやりがいについて訊ねると、少し考えた上で「基本的に全部嬉しい。一つひとつの案件が大切で、建物が仕上がったときにお客様から感謝してもらえると、やっていて良かったなと思いますね」とはにかみながら教えてくれました。

 

 

昔から大事にしていることは「木の気持ちになり、木の命や木の心に思いを馳せること」。

「昔の大工は、当たり前のように木材を大切にしていたんですよ」と済田さん。資源を大切にしたいという思いから、建築に使用する木材はまとめて仕入れて自社で加工し、余ったものは廃棄せずに持ち帰り保管して、次の現場で使うことを徹底しています。そのため事務所に併設する工房には長さの違う木や幅の違う木などがさまざまそろっています。

 

 

目指すのは「心身の調和が取れる家づくり」。無垢材や珪藻土など自然に還る素材で作った家は、その香りや手触りの心地良さから、心が落ち着いたり体が安らいだりする効果があると言います。「木の家は五感を奮い立たせてくれます。住む人を包み込むような優しい空間が木の家には溢れています。そんな家を一人でも多く、新たな家族の歴史を綴ろうとしている人たちに手渡していきたいですね」。

 

 

「ヨッピー」の愛称で親しまれる現場監督の釣見善信さんが『済田工務店』に就職したのは、マイホームを建てたことがきっかけです。大学を卒業後、アパレルのセレクトショップで11年間ほど働き、2年前に『済田工務店』へ入社しました。「未経験で入社して、仕事ができるようになるまで気長に、丁寧に教えてもらいました。小学生の子どもが二人いるのですが、定時が9時から17時までで、残業もなく、子どもたちが夏休みの間は出勤時間を遅らせてもらえるなど、柔軟に対応してもらえて助かっています」と話します。

 

一つの家を作るのにかかる期間は、だいたい半年ほど。「『済田工務店』は、お客様と一緒に家を作っていくスタンスです。理想を実現するために何度も対話を重ねて信頼関係を築いていくのですが、あるとき『家づくりが終わるのが寂しくなる』と言われたときには嬉しかったですね」と言い、仕事のやりがいは「何もなかったところに素敵な家が完成するところ」とにっこり。

 

入社を検討している人へ「とりあえず来てみてください。来て、社員の人と話してみたら、きっとこの魅力がわかると思います。特に現場を訪れてみると、大工さんがいかに大切に家を作っているかがわかります」とメッセージを送ります。

 

 

「済田工務店」の取り組みとして、2024年8月のオープン以来さっそく話題になっている「晴るる」も見逃せません。「晴るる」は鶴来にあった築50年の古民家を改修し、子どもの遊び場&カフェとして生まれ変わらせた施設で、店内に一歩足を踏み入れると木の温もりを五感で感じることができます。

 

「地元に対して恩返しをしたいという思いがありました。鶴来には新しいお店がたくさんできているけれど、なかなか人がこない。若い方や子連れの方でも集まれる場所を作ることで、町の活性化につながればと思ったんです」と済田さんは話します。

 

 

取材は「晴るる」がオープンした約1カ月後でしたが、その時点で既に「遠方からも人が来てくれて、(子どもの遊び場は)予約が取りにくいような状況」。「ここに来たついでに、鶴来にある他のお店にも立ち寄っていただけたらと思います」と嬉しそうな様子です。

 

 

『済田工務店』は社員の半分が女性で、設計やコーディネート、営業、現場監督など幅広い職種で女性が活躍しているのが特徴です。勤続30年の社員から今年新たに仲間に加わった新人までさまざま。地元だけでなく金沢や加賀方面から通っている人もいます。社員の中には産休・育休の取得者もおり、子育て中でも融通が効きやすく、時短勤務も可能。また働く環境として「休みを取りたい」と言いやすい雰囲気作りを心掛けています。

 

現在、現場監督を募集中。業務内容は住宅新築に関する打ち合わせや提案、現場の進捗管理など。現場監督として活躍中の釣見さんは「未経験でも大丈夫。熱い気持ちを持った大工さん、技術を後世に残していくんだという強い思いをもった大工さんが多く、大切な家を一緒に作ることができる、やりがいのある仕事です」と言います。

 

最後に済田さんに「入社を希望する人へのメッセージ」を質問すると、「鶴来を一緒に盛り上げましょう!」と一言。「いつか鶴来が石川県の中心になる、それくらいの気概を持った人に来ていただきたいです」。穏やかな人柄で一つひとつ言葉を選ぶような丁寧な語り口の済田さんですが、心の中には人一倍熱い思いを持っており、同じように高い志を持った社員たちによる仕事が『済田工務店』の建築にも現れているのだと思いました。

 

文:井上奈那(馬人舎) 撮影:山本哲朗(Photo Studio tetoru)

家屋、店舗、家具意匠、各種改修

株式会社済田工務店

住所
石川県白山市明島町春89番地
電話番号
076-273-2660
募集職種
施工管理
雇用形態
正社員
給与
220,000円〜360,000円 ※固定残業代(40,000円〜50,000円)を含む
時間外手当は、時間外労働の有無にかかわらず、固定残業代として支給し、21時間を超える時間外労働は追加で支給します。
待遇・福利厚生
・家族手当
・通勤手当 実費支給(上限あり)月額10,000円
・昇給あり 1月あたり0円〜5,000円(前年度実績)
・賞与あり 年2回(前年度実績)
勤務地
石川県白山市明島町春89番地
仕事内容
現場の施工管理
進捗管理
施主との打ち合わせ
発注等
現場は主に石川県内の一般住宅
勤務時間
9時00分〜18時00分(うち休憩時間60分)
休日・休暇
週休二日制 その他
月2回程度平日希望休あり、年末年始
6ヶ月経過後の年次有給休暇日数10日
求める人物像
明るく素直な方
問い合わせ先
代表取締役 済田稚博
電話076-273-2660

おすすめの記事